大学入試センター試験が、2020年1月(2019年度)の実施を最後に廃止され、2020年度(21年1月に実施)から新テスト「大学入学共通テスト」に移行します。当初、文部科学省は、国語と数学に記述式問題を導入し、英語民間試験の成績を入試に利用する新たな仕組みを設ける予定でしたが、制度の不備から共に取りやめになったことはご存知かと思います。入試改革の目玉であった「記述式問題」は取りやめになりましたが、出題形式はこれまでとは違ったものになることは必至です。では、どういった点が変わるのでしょうか。

読解力重視になる

従来のセンター試験で求められていた力は、文章を正確に読み取り、解答の根拠を本文から探し出して、選択肢と照合し、最適解を見つけるというものでした。

これに対し新しいテストでは、上記の力は前提として、漢字・語彙・文法をしっかり身につけた上、文章の正しい理解と論理的に考えて読むといった「読む力」がますます必要となっていくと言われています。

文章量がボリュームアップ

平成29年11月に実施された国語のプレテスト(本番に備えた試行調査テスト)の文字数は、約22,100文字。これは原稿用紙55枚に相当する量です。これらの文章を内容をスピーディーに読み、正確に理解することが求められます。また、文章の読み直し、考える時間を含めた「解く時間」を確保するため、時間配分もますます重要となってくるでしょう。今後のテストでは、さらに時間との戦いとなることが言えると思います。

また、国語に限らず「全部ちゃんと読む」よう要求されます。センター試験、特に日本史・世界史などでは、「設問のリード文」を読む必要がないことがしばしばです。選択肢中に正しい記述を見つけられたら、それで終わりのためです。一方、プレテストではリード文も選択肢も全て読む必要があるものが多数見られました。このように、国語だけでなく、他の教科でも「読む力」を試されるものになることが予想されます。

必要な力とは?

このような問題に対応するための必要な力とは何でしょうか。次の5つが考えられます。

①複数の資料を正確に読んで理解し、比較し、関連づけて考察する力(=精査・解釈する力)

②複数の条件を正確に理解し、その条件にしたがって考える力

③正確な記述力と表現力

④教科横断型の問題を論理的に解ける力

⑤様々な経験(生活)

新しいテストでは、図や資料、会話文などから、内容を正しく理解し、要点を把握するために、情報を精査・解釈する必要があります。また、正しく理解をしたうえで、設問できかれるいくつかの条件などをふまえ考える力も必要です。そして、記述力、表現力は、解答において必要なことはもちろん、国語の問題でありながらも歴史に関係する話題など、様々な情報や知識から論理的に考え、解答に結びつけたり、過去の経験なども、文章理解や情報の精査などに役立つこととなるでしょう。そして、その土台となるのが「基礎的読解力」と「思考力」です。

すべての学習の土台となる「基礎的読解力」「思考力」

文章の意味を正しく「読み解く力」をつけるためには、係り受けや指示語照応などの文章理解の基礎からトレーニングする必要があります。また、「思考力」をつけるには、たくさんの情報を入手して組み合わせる「情報収集力」と、さらに情報再構築「情報編集力」のバランス感覚を養うことがとても重要と考えられています。

当塾が導入している「速読トレーニング」はまさに、この情報収集力、情報処理力を高め、また情報編集力を育てるための力を養うことができる、という有効な学習ツールです。自分でこれらの力をつけていくのはなかなか難しいですが、アプリをつかったトレーニングで基礎となる力をしっかり高めることができます。授業とともに選択されることをお勧めします。