「国語なら国語」と、教科をしぼって勉強する
成績が上がらないお子さんほど、いろいろと手を出しすぎています。あれもしないと、これもしないと…というふうに。これは、お子さんだけでなく親御さんにも同じことが言えます。親御さんが求めるのも「5教科、まんべんなく」になりがちなのですが、それだとどうしても中途半端になりがちです。結果、テスト前、たくさんの課題を前に、なにをすればいいのかわからず、時間だけが過ぎていく…。
一方、成績がいいお子さんは余裕があるので、的をしぼって勉強ができます。だから成果も出やすい。成果が出ればやる気も出る。ますます頑張るわけです。そして、成績のいいお子さんと成績の上がらないお子さんの差は開いていく一方…。
では、どうすればいいのでしょう?
お子さんの成績が悪ければ悪いほど、教科をしぼって勉強するのです。勇気はいりますが、教科をしぼって一点集中の勉強をすることが成績を上げるうえで大切です。
「うちの子の場合、どの教科にしぼるべき?」
基準は、「どれくらい努力すれば成果が出るか」です。つまり、「少しの努力で成果が出るのはどの教科なのか」を考えてみましょう。
少ない努力で成果が出るのは、苦手教科です。嫌いで、苦手な教科ほど少しの努力で成績を上げることができます。とはいえ、苦手教科の勉強は嫌がります…。親御さんも、あまりやらせたくはないでしょう。ただ、そこでお子さんが「嫌い」「苦手」なのはどうしてなのかを考えていただきたいと思います。
お子さんが「嫌い」「苦手」と思ってしまうのはなぜでしょう?次の理由がほとんどだと思います。
・先生が嫌い ・授業中の説明を聞いても分からない
・覚えるのが面倒 ・難しそう
・特に理由はないけど、何となく
こんな理由から自分には向いていないと思ってしまっているのです。そして、最大の理由は「テストで点数がとれないから」です。
テストで点数がとれないのは、能力が問題ではありません。
勉強のやり方に問題があるのです。
苦手教科は「嫌い」を理由に「勉強をしていないだけ」です。したがって、テスト前にしぼって勉強すべき教科は苦手教科、そしてそれはテスト前におけるやるべきことの優先順位1位なのです。
的をしぼる教科を決めたら、その教科の分析をする
・テストの点数が平均点以下の場合
教科書・塾のテキストを中心に勉強しましょう。ただし、全部やる必要はありません。まずは例題、基本問題を反復し、早く解けるようにトレーニングしましょう。応用問題は思い切って捨てましょう。
・テストの点数が平均点より10点程度上(偏差値:50~55程度) 基本問題の正答率が90%以下の場合
勉強のやり方次第でもっと上を目指せます。そのためには成果を出す勉強をする必要があります。これまで「わかった(理解した)」で終わってはいないでしょうか。成果を出す勉強とは、「解けるようになった」と「解くスピードが速くなった」の2点です。この2点を意識して、問題演習に取り組みましょう。
・テストの点数が平均点より10点程度上(偏差値:50~60程度) 基本問題の正答率が90%以上、標準問題の正答率70%以下の場合
教科書内容や塾のテキストの例題・基本問題はクリアしているはずです。それよりもワンランク上の問題が勉強の中心になります。いろいろなパターンの問題を数多く解き、自分の引き出しを増やしていきましょう。
教科をしぼることでやる気になる
上記のように、教科をしぼることでお子さんのやる気に火をつけることができます。あれもこれもではなく、例えば国語だけというふうにしぼることで安心させてあげる。そして、もしそれでお子さんが「このぐらいなら頑張れそうだ」と思ってくれたら、しめたものです。その先その他の教科も頑張れるようになるでしょう。
成績を上げるためには、欲張らず、1歩1歩確実に、「できるようになった」という成果をお子さんに感じさせることが大切なのです。