英語や数学に比べ、どうしても意識が低くなってしまう教科「国語」。けれども、国語を決して侮ってはいけません。国語の力、つまり、国語力があるのとないのとでは、今後の生き方が変わってくるかもしれません。それほど全ての土台となるものなのです。
「国語力がある」って?
まず、「国語力がある」とはどういう状態を指すのでしょう。例えば「国語のテストの点数がいい」「読書が好き」「作文が得意」などといったことが挙げられるのではないでしょうか。もちろん、それらも当てはまりますが、具体的には「読解力がある」ことを指します。そして、その読解力には「語彙力・論理的思考力・情報処理能力・背景知識」の4つの大きな柱があります。この中でも、特に「語彙力」「論理的思考力」の2つは大事な力になります。
「論理的思考力」と「語彙力」
「論理的思考力」という言葉は最近よく耳にしますよね。これは、「バラバラの考えや言葉を整理し、それを的確に相手に伝える能力」のことです。(「論理的思考力」についての詳細は「無料小冊子」で紹介しております)
この「論理的思考力」と、先ほど挙げた「語彙力」は、一心同体です。どちらかが欠けていたら、その力を発揮することはできません。なぜなら、どんなに言葉を知っていても、文章を組み立てる力が低ければ相手には伝わりにくくなるからです。逆に、わかりやすく説明できる能力があっても、語彙力が足りないとそれを活かしきれないということになってしまうのです。
では、この2つの力、つまり「国語力」を高めることでどんなメリットがあるのでしょう。
国語力は全ての教科につながる
最近の入試では、理科や社会でも問題文が長くなり、記述問題も多くなっています。それらを論理的に読み、論理的に考え、最終的には聞かれていることを正確に答える必要があります。英語においても、結局は「何が書いてあるのか」「何を伝えたいのか」かを日本語で考える力がないと解けるようにはなりません。
国語力を高めれば物事を理解するのが早くなります。例えば、学校の授業で、新しい単元を習うなどというケースでも、1度の説明で理解ができるようになります。また、情報を処理する能力もついてくるので暗記もしやすくなります。理解力と情報処理力が上がれば、他人の力を借りずとも自分で疑問を解決できる、自学自習の力が自ずとつくのです。そしてその結果、どの教科においてもテストで高得点を取ることができるようになるのです。
国語力は生活力につながる
国語力は、勉強面はもちろん、社会人として仕事をしていく上においても大切です。例えば、国語力のうちの1つ、語彙力は、就職試験の面接、報告書やプレゼンの資料の作成といった場面で必要になってきます。
また「現代人の語彙に関する調査(朝日新聞・ベネッセ共同調査)」において、「語彙力が豊富な人ほど主観的幸福度が高く、世帯年収の高さにも少なからず関連がある」という結果が導き出されました。
この結果から、語彙力(国語力)を高めることは、様々な人とのコミュニケーションを可能にし、それによって得られる人脈が、経済的・精神的な余裕をもたらすということがわかります。
国語力は人間力につながる
国語力を身につけることで、物事を様々な角度から検証できるようになります。また、他人の価値観・心情も理解できるようになるので、対人関係においても大きな利点となるでしょう。
このように、勉強面において土台になるだけでなく、人生においても高めておきたい「国語力」。普段当たり前に使っているからこそ軽視されがちな教科ですが、実はとても奥深いものなのです。